FM丹波 ギターの散歩道2026年9月放送分
9月プログラム 9月1日(火)~ 30日(水)
トークと演奏:足立ゆかり・高村浩二
・ (月)「ティコティコ」 (二重奏)
ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は「ティコティコ」です。
今月は「夕暮れの情景」をテーマにお送りしています。暦の上ではもう秋、朝早くから元気よく鳴いていたセミの声が少し寂しく聞こえ、コオロギのやさしい鳴き声で秋の気配を感じるようになりました。リスナーの皆さん今年の夏はいかがでしたか?海に山にと避暑に出かけたりと楽しい思い出づくりが沢山できた事と思います。中でも何十年ぶりかの故郷での同窓会、懐かしい友との再会でしばしタイムスリップ、今だからこそ話せる話題で盛り上がってしまいますね。又その反面去り行く夏が惜しまれます。「ティコティコ」、ラテンの名曲としてよく知られた「ティコティコ」。19世紀末に作られた曲で作曲者はゼギーニャ・ジ・アブレウ。この曲はティコティコ・ノ・フバーとも呼ばれ、とうもろこしの粉をついばむスズメと訳されているそうです。
「ティコティコ」生演奏の良さを伝えようと私と高村浩二先生と始めた「ギターの散歩道」シリーズ、今年の夏は丹波市周辺地域の夏祭り納涼会やお寺の地蔵盆の出前演奏に行ってきました。小さい頃は夏祭りが楽しみでしょうがなかったですが段々縮小されているようで寂しい限りです。でも、今回行かせて頂いた、納涼会コンサートは、地域公民館の広場でかき氷や焼きそば等の屋台もあり、皆さん夕涼みがてらうちわを片手に集まってこられます。野外のステージ、私は夕焼けを見ながら演奏なんて贅沢だなぁなんて思っていたら辺りが暗くなるころには色々な虫さん達とも仲良くなっていました。又、お寺でのコンサートは恐れ多く本堂のコンサートになりバチが当たらないよう心配でしたが子どもさんたちもいっぱい来てくれて楽しく演奏ができました。中でも、お寺の檀家さんの中に私の生徒さんがおられ一緒に「春のよろこび」を演奏、拍手大喝采でした。生演奏を聞く機会の少ないこの地方ですが少しでも生演奏の良さがお伝えできればと活動していきたいと思っています。
ブラジルのショーロが原型です。ショーロのリズムは独特なものがあり、バンドリンやギターにパーカッションが加わって、にぎやかに快速で演奏されます。今日演奏します「ティコティコ」はスピードを出すために伴奏にルンバに近いリズムを採用し、ベースラインを意識しながら演奏しています。さあ、「ティコティコ」どうぞお楽しみ下さい。
・(火)「夕暮れの情景」 (高村浩二)
ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は「夕暮れの情景」です。今月は「夕暮れの情景」をテーマにお送りしています。夏のおわり、残暑の秋といいますか、照り付ける暑い太陽の合間に見える秋の雲や、夕立の後のさぁっと頬を通り抜ける涼しい風に秋の気配を感じます。
春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて。と言わずと知れた清少納言の「枕草子」の
季節感。「秋は夕暮れ」と1日が終わるころ、真っ赤な夕日ががどんどんと落ちていき周りの景色が茜色に輝きかけた幻想的な空の下、どこか切なく、人恋しくなり大切な人の事を思い、ふと足を止めて夕日に語りかけ、明日も頑張って生きていこうと。何気ない日常に感謝、ふと安らぎを感じる心の情景です。
「夕暮れの情景」今日は元私の生徒さん、リスナーMさんからメッセージを頂いていますのでご紹介しましょう。
先生、こんばんは。仕事のお昼休みに聞いています。今日の放送「太陽がいっぱい」の言葉通り今日も暑かったですね。先日、夕暮れの思い出があればと言う事で思い出したのですが。
奈良の大学に通っていた頃、陸上部で毎日夕暮れまで走り回っていました。ある日、若草山の頂きが燃えるように明るくなりびっくりしました。満月が登ってくる瞬間だったのですが、まるで山焼きのような山が赤く染まった光景に神々(こうごう)しさを感じ、一緒にいた友人と言葉も出ないくらい感動したことを覚えています。今ならインスタなどで映像を共有できるのかも知れませんがあの日の感動は心の中の風景として大切にしています。とメッセージを頂いています
「夕暮れの情景」今日の演奏は高村浩二先生です。作曲されたのは莉燦馮(リ、サフォン)さん、高知市在住の松居孝行さんのペンネームです。演奏、作曲、編曲でご活躍中です。国内はもとより海外でも広く知られ、ギター二重奏曲の名曲として世界中のギタリストが愛奏している〈紫陽花〉ほか、ふるさと、荒城の月等作曲技法とギターの特性を熟知した作曲者によって書かれた曲はギターならではの機能性や演奏効果を存分に発揮すると共に、優れた芸術性も併せ持つ傑作揃いです。ゆったりとしたテンポにシンプルなメロディ、甘く切ない音色、まさに日本人の心を揺さぶる1曲かと思います。音楽は人の世になくてはならぬもの、慰めであり、奮い立たせてくれたり、昔の夢にも誘ってくれます。日々悩みのつきないこの世にあっては一時の安らぎです。
「夕暮れの情景」どうぞお楽しみ下さい。
・(水) 「黄昏のワルツ」(二重奏)
ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は「黄昏のワルツ」です。今月は「夕暮れの情景」をテーマにお送りしています。残暑とはいえ少しずつ秋の気配を感じる今日この頃になってきました。木陰に入ると涼しい風の心地よさに癒されます。まだまだ厳しい暑さが続くだけに、秋がとても待ち遠しく思われます。
「黄昏のワルツ」2000年から2007年迄放送されたNHK、にんげんドキュメント、初代のテーマ曲です。作曲はピアニストでもある加古隆さん。ジャズ、クラシック、現代音楽の要素を融合させた独自の作曲形式を確立され、又ピアニストとしては自身の作品の演奏を中心に活動されています。ピアノから紡ぎ出される透明な音の響きから「ピアノの詩人」「ピアノの画家」と称されています。このテーマ曲「黄昏のワルツ」は、人間として共感すべき人生の営みを続ける人物を暖かく描き出す番組のテーマと、音楽がぴたりと一致し、感動を呼びおこす作品と言えるでしょう。
「夕暮れの情景」忙しい毎日を忘れさせてくれる風景に出会える瞬間でもあります。ずいぶん昔ですが今でも忘れられない心に残る素晴らしい夕暮れの情景に出会いました。夏の終わり、信州志賀高原でギターの合宿をしていた時、1日が終わる頃、空が夕日に赤く染まりかけました。まだ間に合うかな?とギターを持って横手山に向かいました。まだ沈まないでね、と夕日に語り掛けながらギターを手にアルハンブラの想い出を。ギターのその先には真っ赤な夕日と黄金色に輝くアルプスの稜線、そして山々の木々に滝のように流れる雲海、辺り一面幻想的な移り行く光の光景に、生きていて良かったと感じる時間でした。
「黄昏のワルツ」今日の演奏は魅惑のギターデュエット足立ゆかりと高村浩二でお送りします。ギターは一人でも楽しめる独奏は不動の価値があり、1人で何役も行うドラマですが、ショパンは「1本のギターより美しいものが唯一あるそれは2本のギターだ」と言っています。二重奏の最大の楽しみの1つに一人では演奏が厳しい曲も2人の協力で無理なく、自然につづるドラマが可能になってきます。この「黄昏のワルツ」も短調と長調を織り交ぜて最後が長調で最も盛り上げて終わると言う曲調に、人生における紆余曲折のドラマを2人で表現していきたいと思っています。
「黄昏のワルツ」さあ、どうぞお楽しみ下さい。
・(木)「川の流れのように」(足立ゆかり)
ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は「川の流れのように」です。今月は「夕暮れの情景」をテーマにお送りしています。暑かったこの夏、海に山に川にと自然に親しみ、又故郷に帰省し懐かしい人との出会いなど、夏の果て、誰かとこの夏の思い出を共有したいものです。
「川の流れのように」1989年平成元年1月に発売された昭和を代表する歌手美空ひばりさん、作詞秋元康さん、作曲見岳章さんにより生前最後に発表された作品です。息子の加藤和也さんは、ひばりさんはこの曲を20回も歌ってないんじゃないでしょうか?と。美空ひばりさんは「川の流れのように」を発表されすぐに他界されました。自分の歌から遠い若い世代の人達にメッセージを残したいと、命を削って世に送り出された名曲、その陰には孤独と病魔の闘いがあったそうですが遺作『川の流れのように』は平成の時代を駆け抜け150万枚を超える大ヒットとなり、今なお、幅広い世代で愛されています。
日本ではギターと言えば古賀メロディーと言われるように演歌とは密接な関係にあります。
昭和初期以降、レコードの進出に伴い演歌は歌謡曲として広く一般的に流行し、日本の伝統音楽と西洋の音楽が交わり、独自の世界を作り上げて日本独特の大衆音楽として普及していきます。その中、古賀政男さんは作品の中にギターを取り入れて以来、ギターは演歌、歌謡曲になくてはならない楽器の1つとなっていきます。
「川の流れのように」今日の演奏は、私足立ゆかりです。この川の流れのようにも含め演歌歌謡曲にはメロディには歌詞が密接に結びつき、それに歌唱が加わり、あの独特な世界ができて私達の心に焼き付いています。今日はギター1本で「歌のない歌謡曲」をやります。編曲は世界中でご活躍中のギタリスト福田進一さん。原曲の良さを崩すことなく、クラシック風の所もあり、又ギターの特徴を最大限に活かした編曲になっています。演歌世代の人たちだけでなく美空ひばりさんの遺志のとおり時代と人とをつなぐ一曲として伝え繋いでいきたいと思います。
「川の流れのように」人生は旅、さあどうぞお楽しみ下さい。
・(金)「アルフォンシーナと海」 (高村浩二)
ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は「アルフォンシーナと海」です。今月は「夕暮れの情景」をテーマにお送りしています。朝から賑やかに鳴いていたセミの声もだんだん寂しくなり、夏の終わり、暑さもやわらぎコオロギのやさしい鳴き声が人恋しく思うようになってきました。
「アルフォンシーナと海」1969年に発表されたフォルクローレ、アルゼンチンの歴史上に生きた有名無名な女性8人をテーマにした「アルゼンチンの女たち」の中の1曲。作曲者はアリエル・ラミレス。詩人フェリックス・ルーナの協力を得て歌とピアノで出版されました。
「アルフォンシーナ」とは鋭い感受性を持つ女流の詩人「アルフォンシーナ・ストルニ」をさしています。細かすぎる神経と人生の疲れと病いにさいなまれ46歳で海に身を投げたとあります。歌詞の内容も痛ましくも幻想的な女流詩人が入水していく姿に思いをはせた内容になっています。
今日はリスナーyさんからお便りを頂いていますのでご紹介しましょう。
益々スピーディーになり高度になっていく日々の暮らし。過去は忘れてこれからどう人生を過ごすかと思い、縁があって千葉県勝浦市に4日間滞在する事になった。温暖な気候、盆地で育ってきた私は海を見るとわくわくする。8階の部屋の大きな窓からは太平洋が真正面に広がり
漁船が波しぶきを上げながら行きかう、水平線のはるか彼方には、と夢が自然とふくらんでくる。こんなに時を忘れて海を眺めるなんて贅沢な時間、神様から頂いた休日。長い人生、たまには休むのもいいなぁ・・と、お便りを頂いています。
「アルフォンシーナと海」今日の演奏は高村浩二先生です。中南米の音楽、フォルクローレは
曲の中に日本の音楽で用いられる、民謡の音階と同じものがあり又、演歌と似ている部分もあり、親しみ易く感じると思います。「アルフォンシーナと海」アレンジはアルゼンチン出身のレオナルド・ブラーボさん。サンバの形式で書かれていますがブラジルの賑やかなサンバとは違い、この「アルフォンシーナと海」は抒情的でノスタルジックな曲調で、演奏者の感性を大切にしてドラマを作って行きます。
良い音楽と素敵な出会いを!さあ「アルフォンシーナと海」どうぞお楽しみ下さい。
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