FM丹波 ギターの散歩道2026年7月放送分

7月プログラム  7月1日(水)~ 31日(金)

トークと演奏:足立ゆかり・高村浩二

今月は「思い出の映画音楽特集」をテーマにお送りしています。
この時期は変わりやすいお天気で梅雨もあり何となく心が晴れない日もありますが田植えの終わった、田んぼの田園風景は雨でも晴れても趣があり、雨の合い間、青空が広がり地元、福知山城の下に流れる由良川、音無瀬橋上流の明智藪にはたくさんのシラサギが飛来し巣作りをしています。そして、ホトトギス、夏のうぐいすがさえずり、河原にはセキレイのチチチ、スズメ、ツバメと、見上げて見ればトビのヒューヒューと、色々な鳥のなき声で癒してくれ、明るい太陽が待ち遠しいです。今月は思い出の映画音楽特集でお送りしています。この季節、雨模様の中路地裏には色とりどりの紫陽花が目を楽しませてくれ、芙蓉の花も淡いピンク色のつぼみがふくらみ、燕も軒下で巣作りと、毎年の風景に安堵しています。

・ (月)映画「マチネの終わり」のテーマ曲「幸福の硬貨」 (二重奏)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は映画「マチネの終わり」のテーマ曲「幸福の硬貨」です。
「マチネの終わりに」2019年11月、大人の恋愛が切なすぎると大きな話題を生み、純文学としては異例のベストセラーとなった芥川賞作家平野啓一郎さんの小説を映画化されたものです。「マチネ」とはお昼のコンサートの事を意味します。ストーリーですが主演は自分の音楽を見失い苦悩する天才ギタリスト蒔野聡史役を演じる俳優福山雅治さん、相手役はパリの通信社に勤務するジャーナリスト小峰洋子役を演じる女優石田ゆり子さん、コンサートの後、出会った瞬間から強く惹かれ、共に四十代という、独特で繊細な年齢をむかえ、心を通わせていた二人ですが、運命に翻弄されながらも、6年もの歳月を歩んだ男女の姿を情感豊かに演じていきます。音楽はクラシックギタリストが主人公なので、冒頭に流れる大聖堂等クラシックギターの名曲が多く使われ、場面場面で演奏されて重要な役割を果たしています。
今日は福知山出身で現在は東京在住の石田ゆり子さんの大ファンであるリスナートムさんからメッセージを頂いていますのでご紹介しましょう。
この季節になると思い出す事がある。私は幼い頃に見た「天の川」をもう一度見たいとずっと思い続けて何十年。多分 冬の空 空気が澄んでいる時しかあの天の川の姿は見えないだろうと考えスキーで信州に行った帰り道などで車を降りて夜空を見上げてきたが、今まで鮮明な天の川に出会える事はなかった。結局、その思いの中で今まで見た一番きれいな天の川はもう何十年前にもなるが、若いころ、友達と海へ遊びに行った帰りに、福知山に近づいた山中の道で見た、夏の夜の「天の川」だった。部分的にややぼーっと赤みを帯びていた天の川が、空の
真ん中の高い所からどんと地表まで流れおちていき、記憶に残る感動的な「天の川」だった。
今、私は有楽町で仕事中、変わりやすい天気の合間、空を見上げると青い空に白い雲が浮かんでいる、のどかな午後、今年は「天の川」が見れるだろうかと思いを巡らしている。
とメッセージを頂いています。
今日演奏します「幸福の硬貨」は原作、小説の中で唯一架空の曲でしたが今回の映画化でオリジナル曲として菅野祐悟さん(かんのゆうご)が作曲され、主人公蒔野とヒロイン洋子が二人の運命を結びつける重要な曲となっています。美しくもあり暖かさも感じられるこの「幸福の硬貨」はこれからのクラシックギター界の新曲、定番曲になると期待しています
「幸福の硬貨」さあ、お楽しみ下さい。

・(火)映画「禁じられた遊び」のテーマ曲「愛のロマンス」(二重奏)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は映画「禁じられた遊び」のテーマ曲「愛のロマンス」です。
映画「禁じられた遊び」のテーマ音楽としてヒットした「愛のロマンス」はギターを弾く者にとってはこんなに身近に感じる曲はありません。その美しいメロディを聞いてギターっていいなぁ、と手にされた方ははかりしれないと思います。私もその中の一人です。ナイロン弦の張ってあるクラシックギターの最大の魅力は何と言っても音色にあります。日本ではもう上映されてから70年以上経ち、映画は知らなくても曲は知っている世代になってきましたが私が主宰しています「あだちゆかりギター教室」に習いに来られている生徒さんの大半は年齢を問わずこの「禁じられた遊び」を弾きたいがために通って来られています。あだちゆかりギター教室は創立40周年を迎え、日頃の練習の成果発表と毎年7月に、福知山市にある夜久野ふれあいプラザホールで生徒発表会を開催しています。今年は年明けから人前で演奏する機会生徒の皆さんに沢山提供しようと、相聞会を開催してきました。相聞会とは演奏の出来、不出来よりも、目標の達成を目指す実験の機会の場所であり、お互いに演奏し合い又共有しレベルアップをしていく場として捉え、何か目的があるならば途中まででも良いし、制限時間内であれば何度でもやり直しはオッケーと言う会です。家で練習している時は上手く弾けているのに人前で弾くとなると緊張して弾けない、と、言われる生徒さんに、私は「100回練習するよりも1回のステージ」とアドバイスをしています。人前で弾く事で日頃の練習の成果を確認するとともに内に秘めた特別な力に出会えたならこの上ない喜びです。生徒の皆さん楽しんで演奏しましょう。
今日はルビーラ版、二重奏バージョンでお送りします。編曲は藤井敬吾先生です。独奏でもよし、二重奏でもよし、と、ギターの甘い音色とより一層音の広がりを醸し出させてくれます。
さあ、映画禁じられた遊びのテーマ曲、「愛のロマンス」どうぞお楽しみ下さい。

・(水) 映画「小さな恋のメロディ」より「メロディフェア」 (二重奏)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は映画「小さな恋のメロディ」より「メロディフェア」です。
「小さな恋のメロディ」1971年、イギリスで製作された11歳の少年少女の初恋の行方を描いた青春ラブストーリ映画。ダニエル役のマーク・レスター、メロディ役のトレーシーハイドと、日本ではビージーズが歌うテーマ曲「メロディ・フェア」も合わせて大ヒットしました。
ロンドンのパブリックスクールに通う引っ込み思案のダニエル、やんちゃな同級生トムとは大の仲良しでいつも一緒に遊んでいました。ある日、2人は学校で女子生徒のメロディがバレエの練習をしている部屋を見つけ、のぞき見をします。やがて、ダニエルはメロディのかわいさに夢中になっていく。と言う、ストーリーです。つぶらな瞳でかわいい坊やだったダニエル役のマークーレスタも、もう還暦も過ぎ、時代の流れを感じますが「メロディフェア」を歌っている、ビージーズの唄声が今もなお新鮮に聞こえ、遠い昔に連れていってくれます。
「メロディフェア」今日は大阪在住リスナーKさんからのリクエスト、メッセージを頂いています。「小さな恋のメロディ」確か小学生の頃に見た映画で、外国の子供達の日常生活にちょっとカルチャーショックを受けた記憶があります。最後のトロッコのシーンも日本の小学生にとっては衝撃的でした。数年後テレビ放映されたのを見て流れていた曲が気に入り、ピアノで弾いたりした思い出の映画です。と、「メロディフェア」の思い出のメッセージを頂いています。自宅でくつろぎながら、映画音楽やポピュラー音楽のヒット曲をつまびく、と言うのはギター愛好家に許された贅沢な楽しみの一つと言えるでしょう。居ながらしてファンタジーな世界や昔の夢にも誘ってくれます。1本のギターより美しいものが唯一ある、それは2本のギターだ、とショパンが言っているように、二重奏の魅力の1つに2人の呼吸がぴったりとあった時のジャスト感や鳥肌がたつ程ハーモニがはもった時瞬間と喜びを共有できる楽しみがあります。
演奏をする事は伝えようとする心であり知る限り美しい言葉(音)で語りたいものですね。
「メロディフェア」さあ、どうぞお楽しみ下さい。

・(木)映画「ひまわり」のテーマ曲「ひまわり」(高村浩二)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は映画「ひまわり」のテーマ曲です。
映画「ひまわり」マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンが主演した、1970年公開のイタリア・フランス・ソ連の合作映画。日本での公開も1970年9月。数あるソフイアローレン主演の映画の中で最も日本で愛されている作品です。監督はヴィットリオ・デ・シーカ。音楽はヘンリー・マンシーニ。ムーンリバーやピンクパンサー等、数多くの映画音楽を担当しましたが、彼の作品の中でもこの「ひまわり」は特に評価は高く、主題曲は世界中でヒットしています。
「ひまわり」ストーリーは戦争によって引き裂かれた夫婦の行く末を悲しみたっぷりに描いた作品。第二次世界大戦下のイタリア、ジョバンナを演じるソフィア・ローレンとアントニオを演じるマルチェロ・マストロヤンニは美しいナポリの海岸で恋におち、結婚をします。その後、アントニオは厳しいソ連戦線の最前線に送られ行方不明になってしまい、終戦後も戻らないアントニオを探すためにジョバンナはソ連に向かい夫の足跡を追います。
しかし広大なひまわり畑の果てに待っていたのは美しいロシア娘と結婚し、子供達に恵まれた
幸せなアントニオの姿でした。全てを察したジョバンナ、絶望と涙でよろめく足取りでイタリアへ戻ります。心にぽっかり穴が空いた日々を送っていたそんな時に、突然アントニオがはるばる彼女の元へ訪れます。心揺れ動く中、ついに彼女は運命の決断に身をまかせる時がきた、と言う、戦争で引き裂かれた夫婦の悲しい結末が待っている作品です。「ひまわり」今日の演奏は高村浩二先生です。編曲は江部ケンイチさん。ソフィア・ローレンの胸に迫る名演技で私たちの前に突き付けた戦争の酷さ、運命の悲しさに心が痛みますが、映画のオープニングとエンディングで映し出される、画面一面のひまわり畑の映像と音楽が一末の勇気を与えてくれている印象を受けます。ひまわりはウクライナの国花、国の花になっています。映画のひまわり畑の撮影地はヘルソン州ですがスペインのグラナダからセビージャへ続く街道沿いにも同じようなひまわり畑があり、今頃満開を迎えていることでしょう。
地球は皆一家、1日も早く平和な日々が送れる事を祈ります。
「ひまわり」さあ、どうぞお聞き下さい。

・(金)映画「卒業」より「スカボローフェア」 (二重奏)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は映画「卒業」より「スカボローフェア」です。
「スカボローフェア」、1967年にサイモンとガーファンクルが歌って世界中で大ヒットした楽曲ですが、実はイングランドの北、ヨークシャー地方の海辺の町スカーバラ又スカボローと呼ばれる地名が出てくる古いスコットランド民謡で、16世紀から17世紀にかけてよく歌われていました。吟遊詩人が町から街へと歌い継がれていくうちに色々な歌詞ができたそうです。スカボローに住む恋人への切なる思いをスカボロー市場へ運ばれる魔除けのハーブに思いを託し、「スカボロー市場へ何を買いに行くのでしょう」と言う歌詞。中でもダスティン・ホフマン、キャサリン・ロス主演の映画「卒業」の挿入歌として用いられ世界的に有名になったのは言うまでもありません。懐かしい映画です。
私と高村先生と、生演奏の良さを皆さんの元へお届けしようと始めたギターの散歩道シリーズ、先月は大阪、和泉市、久保惣美術館の敷地内にある市民ホール、Eiホールで演奏してきました。この久保惣美術館とのご縁はお父様が多くの中国絵画や書を寄付しておられる林誠道さんに昨年ご紹介して頂きました。和泉市久保惣美術館は昭和57年に開館した和泉市立の美術館で、約5000坪の敷地内には本館、新館、市民ギャラリー、市民ホール、茶室、市民創作室、研究棟があります。日本と中国の絵画、書、工芸品等の東洋古美術をはじめ、古い地図、印象派以降の西洋美術等を所蔵されています。所蔵品をいかした年5回の企画展と年1回の独自企画の特別展を開催されており、演奏会の当日には4月12日から6月14日迄、北斎、広重、絶景!頂上決戦の特別展示が開催されていました。
今日の演奏は6月13日土曜日、和泉市久保惣美術館Eiホールでのライブ版でお届けします。昨年、見学に行かせてもらった時に、ギターの散歩道のコンサートにぴったりの120席、このEiホールで演奏できたらいいなぁと早速、申し込みをし、今年実現しました。
初めての開催地でもあり、どれくらいの方が聴きに来て頂けるのか少々心配でしたが満員のお客様で響きも良くて、私も高村先生も楽しませて頂きました。アンケートには「来年も是非開催して下さい」と言う暖かいお言葉が沢山あり来年もやろうと思っています。又、会館のスタッフの方々のご丁寧な対応にも感謝、ありがとうございました。
映画「卒業」より「スカボローフェア」どうぞお楽しみ下さい。


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