FM丹波 ギターの散歩道2025年10月放送分

10月プログラム  10月1日(水)~ 31日(金)

トークと演奏:足立ゆかり・高村浩二

今月は懐かしい映画特集でお送りします。いつまでも暑かった今年の夏、残暑もようやく収まり、虫の鳴き声も秋の虫に変わり、空を見上げれば青い空に秋の雲と、秋が駆け足でやってきました。稲刈りの終わったのどかな田園風景、田んぼのあぜ道にはお彼岸を過ぎてからやっと彼岸花が満開になりました。暑かった夏を物語っているように思います。地元丹波産の大きな栗もお店に出回り食欲の秋、芸術の秋と楽しみたいものです。さわやかな秋風と共に過ごしやすくなってきましたね。

・ (月)「If we hold on together」 (二重奏)

1983年のディズニーアニメ映画「リトルフットの大冒険、謎の恐竜大陸」の主題歌。内容は原始時代を舞台に恐竜ティラノザウルスに襲われ、家族とはぐれたブロントザウルスの子供、リトルフットが他の恐竜の子供達と共に力を合わせて食料と水のあふれるみどりの谷をめざして旅をすると言う物語。決してハッピーエンドの物語りではありませんが当時、映画の他ビデオや絵本もあり何度も見て恐竜好きになったり、かわいい仕草に笑ったり涙したりと年齢に関係なく、このシリーズは今でも親しまれています。恐竜はどの時代になっても通じる子供達の謎とロマンです。
「If we hold on together」「私達が一緒に頑張れば」この映画の主題曲は人生を励ます応援歌ではないでしょうか?歌手のダイアナ・ロスさんが歌われて、日本語訳の歌詞の一節に、信じて生きていれば夢はきっと叶えられる、素晴らしい未来がきっと待っている、とあり、ダイアナ・ロスさんの優しくもあり力強い歌声に、心の琴線(キンセン)に響き勇気づけられます。音楽は人の世になくてはならぬもの、身近な風景や自然に心を動かされ、なぐさめでもあり、奮い立たさてくれたり、又昔の夢にも誘ってもくれます。夢、思いはきっと形になります。
「If we hold on together」今日の演奏は魅惑のギターデュエット足立ゆかり&高村浩二でお送りします。冒頭のフレーズが3回繰り返され、その後下降のフレーズが繰り返されてそして階段を上がるように1オクターブ音が広がっていきます。大きな心で深呼吸をしながら演奏していきます。魅力いっぱいの秋を楽しんで下さい。

・(火)「慕情」 (高村浩二)

「慕情」、地元福知山市在住リスナーMさんからのリクエスト、Mさんが10歳の頃の作品で香港の風景がきれいだったことを覚えておられるそうです。「慕情」1955年に公開されたアメリカの映画。ベルギー人と中国人の血を引くハン・スーインの自伝をもとに映画化されました。第2次世界大戦後、中国で共産党と国民党が争っていたころの香港を舞台にしたラブストーリー、混血の女医ハン・スーインをジェニファジョーンズが、アメリカの報道特派員マーク・エリオットをウィリアムホールデンが演じています。同じタイトルの主題歌はポール・フランシス・ウェブスター作詞、サミー・フェイン作曲でフランクシナトラ、アンディウイリアムズや多くの歌手により歌われ、映画のストーリの記憶は遠ざかっていても、このテーマ曲を聞くと、慕情だと思い出すほど印象的です。演奏のポイントでもっとも大切な事は、演奏する心、愛しいあなたの事を思って音で伝えて言って下さい。素敵な楽曲はどんなに時を経てもたまらない懐かしさと郷愁、切ないほどの思い出、そして言いようのない、ふつふつとした新鮮な驚きを伴ってよみがえってきます。

・(水) 「幸福の硬貨」 (二重奏)

「幸福の硬貨」結婚した相手は人生最愛の人ですか?と、大人の恋愛が切なすぎると大きな話題を生み、純文学としては異例のベストセラーとなった芥川賞作家平野啓一郎さんの小説を映画化されたもので、2019年11月に封切りされ、まだ記憶に新しいと思います。「マチネ」とはお昼のコンサートの事を意味します。「マチネの終わりに」ストーリーですが主演は自分の音楽を見失い苦悩する天才ギタリスト蒔野聡史役を演じる俳優福山雅治さん、相手役はパリの通信社に勤務するジャーナリスト小峰洋子役を演じる女優石田ゆり子さん、コンサートの後、出会った瞬間から強く惹かれ、共に四十代という、独特で繊細な年齢をむかえ、心を通わせていた二人ですが、運命に翻弄されながらも、6年もの歳月を歩んだ男女の姿を情感豊かに演じていきます。音楽はクラシックギタリストが主人公なので、クラシックギターの名曲が多く使われ、バリオス作曲大聖堂、ヴィラロボス作曲ガボットショーロ、アルベニス作曲アストリアス、バッハ作曲無伴奏チェロ組曲等、劇中の中、冒頭の大聖堂や、パリのレストランでの食事中の音楽等、場面場面で演奏されて重要な役割を果たしています。映画「マチネの終わりに」の劇中の中では既存する楽曲が使われていましたが、この「幸福の硬貨」は原作、小説の中で唯一架空な楽曲でした。今回の映画化にあたってオリジナル曲として菅野祐悟(かんのゆうご)さんが作曲され主人公蒔野とヒロイン洋子が二人の運命を結びつける重要な曲となっています。「幸福の硬貨」映画が無ければ存在しなかったと思うと、感慨深いものがあります。美しくもあり暖かさも感じられるこの「幸福の硬貨」はこれからのクラシックギター界の新曲、定番の曲となると期待しています

・(木)「ムーンリバー」(二重奏)

「ムーンリバー」1961年にアメリカで公開されたトルーマン・カポーティ原作「ティファニーで朝食を」のテーマ曲、監督はブレイク・エドワーズ、主演はオードリー・ヘップバーン、共演はジョージ・ペパード、原作とは異なり映画は主人公ホリーを演じるオードリーヘップバーンと語り手の作家ポールを演じるジョージ・ペパードとの恋を中心に描いています。マンハッタンに暮らすホリーは華やかな世界に生きるパーティガール、ちょっと天然でいつでも自由気まま、富と贅沢が大好きでお金持ちの男性との結婚を夢見ています。そんな彼女は心沈むと、5番街にある高級ジュエリー店「ティファニー」のウインドーを眺めながら朝食のクロワッサンを食べて気分を和らげるのでした。「ムーンリバー」この名曲を作曲したのは映画音楽界の巨匠ヘンリー・マンシーニ、他にもピンクパンサーやひまわりの作曲でも知られています。そして「ムーンリバー」は特別にオードリーヘップバーンのために作られた楽曲。作詞はジョニーマーサ。柔らかな歌声とロマンチックな歌詞は自由奔放なホリーのイメージにぴったり、パーティドレスにジュエリーを身につけている、いつものスタイルから、ジーンズとシャツにドレスダウン。劇中でオードリーヘップバーンが窓際に腰掛けギターを弾きながらチャーミングに「ムーンリバー」を歌うシーンは映画の中で最も印象的な場面ともいえるでしょう。この映像を見てギターを弾いてみたいなぁと思われた方も沢山おられると思います。

・(金)「ゴッドファーザー愛のテーマ」 (二重奏)

「ゴッドファーザー愛のテーマ」1972年に公開されたアメリカ映画。監督はフランシス・フォード・コッポラ。マリオ・プーゾの小説「ゴッドファーザー」を映画化された作品。ストーリーはマーロン・ブランドが演じるゴッドファーザこと、通称ドン・コルネオーレはアメリカ最大の勢力を誇るイタリア系マフィア、コルネオーレ一族のボス、ある日ドンは同じ巨大勢力を持つタッタリア一族の麻薬取引を断ったことから襲撃され危篤状態になります。この事件をきっかけに裏社会に入っていなかった3男、アルパチーノ演じる、マイケルが裏社会に入り抗争は激化していきます。マフィア世界のリアルな描写もありますが濃厚な人間ドラマが描かれそこには家族愛が表現されています。圧倒的な存在感のドン、マーロン・ブランド、そして表の社会から裏の社会へ染まっていくマイケルを演じたアルパチーノ等の名優たちの演技が光ります。1974年にはパート2、1990年にはパート3も公開され、歴史に残る名作となっています。音楽はニーノ・ロータ、イタリア出身のクラシックの作曲家、1979年、すでに亡くなってから40年も過ぎていますが「ゴッドファーザ」「太陽がいっぱい」「ロミオとジュリエット」等有名な映画音楽を手掛けて、今でも注目を集めている作曲家の一人です。しかし、本人曰く「自分の本業はクラシックの作曲家であり映画音楽は趣味に過ぎない」と語っていたそうですが彼の功績は何と言っても映画音楽で培かわれたのですから人生って皮肉なもんですね。

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