FM丹波 ギターの散歩道2025年7月放送分

7月プログラム  7月1日(火)~ 31日(木)

トークと演奏:足立ゆかり・高村浩二

今月は、映画音楽の特集でお送りしています。梅雨空の合間に色鮮やかな紫陽花が和ませてくれて、路地裏に夏の花、芙蓉が咲きかけました。雨の多い季節ですが、岐阜県神岡町での演奏会の後、運よく晴れたので私はレールマウンテンバイク、ガッタン号渓谷コースに行ってきました。旧神岡鉄道の旧漆山駅から二ッ屋トンネル間の往復6.6キロ、渓谷沿いを走るのでトンネルや下の見える鉄橋もありスリル満点ですが、木々の緑のトンネルでマイナスイオンを感じ、リフレッシュしてきました。

・ (月)「スカボローフェア」 (二重奏)

「スカボローフェア」、1967年にサイモンとガーファンクルが歌って世界中で大ヒットした楽曲ですが、実はイングランドの北、ヨークシャー地方の海辺の町スカーバラ又スカボローと呼ばれる地名が出てくる古いスコットランド民謡で、16世紀から17世紀にかけてよく歌われていました。先月高村浩二先生の第2の故郷、岐阜県神岡町の船津座で開催されたギターの散歩道in神岡、ギターあ・れ・こ・れマチネコンサートで演奏してきました。このコンサートは昨年に引き続き2回目で美夢成会と言う中学、高校の同窓会のメンバーの方々が中心になって企画運営され卒業アルバムを持ってきておられる方があり、そのアルバムの中の編集後記をご紹介しましょう。「編集後記」アルバムの編集が進むにつれて、あまり実感のなかった卒業というものが、目の前に迫ってきました。ほんとうに、3年間というものは、長いようで短いものです。入学した当時は大島校舎のボロさに驚き、と同時に愛着を感じました。そして2年生になり、小萱校舎に移転して、毎朝眠い目をこすりながらギューギューづめのバス通学、また、汗を流しながら重い カバンをもって歩いてきたものでした。青春の真只中にいる私達は「青春」というものは何なのか、まだ わからないけれど、私達が大人になり、もし青春が終りそうだと 感じはじめたらこのアルバムを開いて、この頃の若さをとりもどして下さい。感動再び、神岡町船津座での演奏会、ライブ版でお送りします。

・(火)「禁じられた遊び」 (二重奏)

映画「禁じられた遊び」のテーマ音楽としてヒットした「愛のロマンス」、ギターを弾く者にとってはこんなに身近に感じる曲はありません。1952年フランス映画「禁じられた遊び」として公開され、日本ではもう70年前になりますが上映されています。監督は「太陽がいっぱい」でもおなじみのルネ・クレマン監督。白黒映画ですが冒頭からいきなり流れてくるテーマ音楽「愛のロマンス」、スペインの有名なギタリストナルシソ・イエペスさんがこの映画のBGMをギター1本で担当され世界中に知られるようになりました。「禁じられた遊び、愛のロマンス」ギターの名曲のナンバー1なのに謎がいくつかあります。その1つに「禁じられた遊びは民謡ではなかった」と言う事が今頃になって話題になっています。作曲者が決定的な証拠が無くこの曲がよく演奏されていた1960年頃の日本ではスペイン民謡とか作者不詳で表記されていましたが2012年に作曲者はスペイン、ムルシア県ロルカ町出身のアントニオ・ルビーラさんであると言う事が分かりました。なんと映画のBGMを担当されていたギタリストナルシソ・イエペスさんと同郷、同じ出身地だったと言う事はなんとも奇遇ですね。

・(水) 「追憶」 (二重奏)

「追憶」1973年に公開されたアメリカ映画バーバラストライサンドとロバート・レッドフォードの若き日の代表作。20年の歳月のなかで情感豊かに描く永遠のラブストーリです。
今日は地元福知山在住リスナーNさんとIさんからのリクエスト、メッセージを頂いています。
ギターの散歩道、毎日朝とお昼と楽しく聞かせてもらっています。毎月の月初めが楽しみで今月はどんな曲が流れるのだろうかとワクワクしています。私も学生時代は深夜ラジオ派で勉強もせず寝っ転がりながらこっそりとラジオを聞いていました。昔はオンタイムで周波数も限られていて聞けなかったら残念に思いましたが今はネットで全国どこに居ても聞けるようになったので益々ラジオ大好きになっています。今日、リクエストをお願いした「追憶」は、学生時代に映画好きの友達4人で当時人気のあった「卒業」「ロミオとジュリエット」「小さな恋のメロディ」を地元の映画館に見に行き、映画って泣けるものだなぁ・・なんて主人公になりきって見ていましたがこの「追憶」だけはちょっと背伸びし過ぎたかなぁ、大人の恋愛もんかぁと内容が分からずにただ見たと言うだけでした。でも、映画のテーマ曲、バーバラストライサンドのあの澄み切った歌声だけが頭に残っています。映画好きの4人も還暦を超え、1人はもう遠い世界に行ってしまいましたが時間にも心にも余裕ができもう一度、見直し号泣し、青春時代に思いを巡らしています。とお便りを頂いています。

・(木)「幸福の硬貨」 (二重奏)

「マチネの終わりに」大人の恋愛が切なすぎると大きな話題を生み、純文学としては異例のベストセラーとなった芥川賞作家平野啓一郎さんの小説を映画化されたもので2019年11月に封切りされました。「マチネ」とはお昼のコンサートの事を意味します。ストーリーですが主演は自分の音楽を見失い苦悩する天才ギタリスト蒔野聡史役を演じる俳優福山雅治さん、相手役はパリの通信社に勤務するジャーナリスト小峰洋子役を演じる女優石田ゆり子さん、コンサートの後、出会った瞬間から強く惹かれともに四十代という、独特で繊細な年齢をむかえ、心を通わせていた二人ですが、運命に翻弄されながらも、6年もの歳月を歩んだ男女の姿を情感豊かに演じていきます。

今日はリスナーMさんからのリクエスト、お便りを頂いていますのでご紹介しましょう。来月の映画音楽も、どの曲もそれぞれ思い出があって楽しみですが、中でも「マチネの終わりに」は、映画の公開が2019年と記憶に新しく、テーマ曲「幸福の硬貨」の優しいメロディが時折り心に浮かんで来ます。「マチネの終わりに」は、映画化される数年前に原作を読んでいました。小説の中で、主人公が弾くギターの名曲が次々と登場しますが、その時は、切ないストーリーや主人公の言葉の方が心に残りました。その後、映画化された時、一緒にギターを習っている Kさんに、絶対に見なきゃダメだよと言われ、映画館に足を運んだところ、小説の中では文字でしかなかった曲が、演奏シーンやBGMで流れ、今度はストーリーより音楽の方に集中してしまいました。特に、小説中の架空の映画のテーマ曲という設定の「幸福の硬貨」は、映画化にあたってのオリジナルだそうで、映画が無ければ存在しなかったと思うと、感慨深いものがありました。今でも映画のサントラを聴いて楽しんでいます。ミュージカルではないけれども、音楽に彩られた素敵な映画だと思います。最近、また原作を読み返して、主人公がアンコールで武満徹さんのイエスタディを弾いたところでは、高村先生の演奏を思い浮かべたりしています。とお便りを頂いています。いつもご視聴ありがとうございます。
今日演奏します「幸福の硬貨」は原作、小説の中で唯一架空の曲でしたが今回の映画化でオリジナル曲として菅野祐悟さん(かんのゆうご)が作曲され、主人公蒔野とヒロイン洋子が二人の運命を結びつける重要な曲となっています。美しくもあり暖かさも感じられるこの「幸福の硬貨」はこれからのクラシックギター界の新曲、定番の曲となると期待しています。暑さの中にも秋への変化を感じる季節です。ふと感じる秋をみつけて心満たされる気持ちになったりと魅力いっぱいの秋をお楽しみください。

・(金)「ひまわり」 (高村浩二)

映画「ひまわり」マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンが主演した、1970年公開のイタリア・フランス・ソ連の合作映画。日本での公開も1970年9月。数あるソフイアローレン主演の映画の中で最も日本で愛されている作品です。監督はヴィットリオ・デ・シーカ。音楽はヘンリー・マンシーニ。ムーンリバーやピンクパンサー等、数多くの映画音楽を担当しましたが、彼の作品の中でもこの「ひまわり」は特に評価は高く、主題曲は世界中でヒットしています。
編曲は江部ケンイチさん。ソフィア・ローレンの胸に迫る名演技で私たちの前に突き付けた戦争の酷さ、運命の悲しさに心が痛みますが、映画のオープニングとエンディングで映し出される、画面一面のひまわり畑の映像と音楽が一末の勇気を与えてくれている印象を受けます。ひまわりはウクライナの国花、国の花になっています。映画のひまわり畑の撮影地はヘルソン州ですがスペインのグラナダからセビージャへ続く街道沿いにも同じようなひまわり畑があり、今頃満開を迎えていることでしょう。地球は皆一家、1日も早く平和な日々が送れる事を祈ります。

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