FM丹波 ギターの散歩道2024年3月放送分

3月プログラム  3月1日(金)~29日(金)

トークと演奏:足立ゆかり・高村浩二

今月は「さあ、春だ!旅立ち」をテーマにお送りしています。まだまだ寒さが残る中、3月の日差しや風には独特なにおいがします。卒業や異動など何かと別れの多い季節、余計にそう感じるのかもしれません。

・ (月)「morninng dlewあさつゆ」  (二重奏)

ピアノ譜「ギロック ベスト1」に掲載されている楽譜を元に私が編曲をしました。出版された安田裕子(ゆうこ)さんによりますと、「ギロックベスト1」におさめられている作品の多くは5本の指のポジションで弾けます。そして、そのパターンが弾けるようになるとそれをオクターブの移動や同じ型の反復で繰り返し音楽を大きく豊かにしていきます。初心者でもギロックの作品は感性が伴えばうまく弾く事が出来、5本指のポジションは自然にコードの響きを意識させてくれます。と、あります。ギターはピアノと同じようにメロディも伴奏も一人で演奏する独奏楽器として不動の物があります。ショパンは1本のギターより美しいものが唯一ある、それは2本のギターだ、と言っています。メロディがシンプルな曲は2人で演奏する事により、お互いの感性を大切にし、音楽の幅、響きをより一層充実させて表現していきます。ギロックは自分の作品が演奏されるコンサートへ招待されると、いつも快く出かけて行き、演奏を楽しみにされていたそうです。「あさつゆ」ギター二重奏編、ギロックにどう届くでしょうか?さあ、「あさつゆ」どうぞお楽しみ下さい

・(火)「ふるさと」 (高村浩二)

「故郷」作詞高野辰之、作曲岡野貞一の名コンビで生まれたこの曲は、大正3年6月に尋常小学唱歌として発表され、現在も音楽の教科書に掲載されています。「うさぎおいしかの山」の歌詞で始まるこの親しみやすい曲は、他に春の小川、春が来た、おぼろ月夜、等の歌とともに日本人なら1度は歌った事がある曲ではないでしょうか。
今日は宮城県登米市出身で現在東京町田市在住のリスナージョンれもんさんからメッセージを頂いています。
子どもの頃、思い出すふるさとの風景はNHKの朝ドラ「おかえりモネ」のロケ地でもあった宮城県登米市。住んでいた家の前は畑と田んぼで 野菜の収穫、田植えや稲刈りを手伝ったりした。夏になると近くの川で泳いだり、小鮒釣り、夜になるとカエルの大合唱、冬なれば田んぼに水を張ってスケートもできた。特に秋になると稲穂が金色に輝き遠くの山が夕焼けに染まる。その前を軽便鉄道(ケイベン鉄道)が横切って走る様(さま)はいまだに覚えています。風の音やにおい、鳥の声や虫の声もとてもきれいです。冬の厳しさや春を待つ時間など当時は風光明媚で静かだったように思います。まるで宮沢賢治の世界、日本の原風景がここにもあったような気がします。とメッセージを頂いています。
「ふるさと」今日の演奏は高村浩二先生です。編曲は高知を拠点にご活躍中の作曲家、リ・サフォンさん、松井孝之さんのペンネームです。イントロ部分のハーモニックス奏法の澄み切った心地よい響きから始まり、旋律に色鮮やかなニュアンスを加える装飾音があり、いつになればうさぎ追いし・・のメロディが出てくるのだろうかと耳をすませてしまい、懐かしいメロディが出てくると思わず口ずさんでしまいます。終盤、だんだんと怪しげな和音がたくさんでてきてどう終わっていくのかが興味津々です。細かい動きの音に惑わされて、メロディを歌う事を忘れないようにすることが演奏のポイント
「ふるさと」さあ、どうぞお楽しみ下さい。

・(水) 「手紙〜拝啓〜十五の君へ」 (二重奏)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目はアンジェラ・アキさん作詞作曲の「手紙〜拝啓〜十五の君へ」をお送りします。今月は「さあ、春だ!旅立ち」をテーマにお送りしています。
三寒四温、季節が行ったり来たりする3月、日差しや風には独特のにおいがします。卒業や異動と何かと別れの多い季節、余計にそう感じるのかもしれません。
手紙~拝啓~十五の君へ、15歳の自分が大人になった自分に悩みを打ち明け、大人の自分が「大丈夫だと」という励ましのメッセージを返すと言うような歌詞で心に強く響いてきます。この「手紙~拝啓~十五の君へ」この曲は私もとても思い出深い曲です。ギターの散歩道シリーズは高村浩二先生と心の糧になるよい音楽をお届けしようと、全国各地に出前演奏に行っています。以前群馬県榛名山の麓ある榛名女子学園と言う14歳以上二十歳未満の女子だけの少年院、更生施設にボランティア演奏に行った時の事です。ちょうどその日は7月7日七夕でもあり、学園では七夕まつりを企画されて学園の皆さんは浴衣姿で地域のボランティアの方々で作られた焼そばやラムネを食べ、その後の演奏会。ほとんど生演奏は初めてと言う人達、最後まで聞いてもらえるだろうかと少々不安でしたが最後にギター伴奏でこの「手紙拝啓十五の君へ」を全員で合唱し、感動の余り涙ぐんでいる子もありました。後日、学園の皆さんから感想文を送ってもらい、当日この手紙~十五の君へ」を指揮をしてくれた人の感想文には大切な人を大切にし、守っていきたいと思います。願うだけではなくそれに向かって一歩ずつ確実に進んでいき、最後まであきらめずに前を見て進んでいきます。とありました。自分の思いを文章で表現出来ており読んでいて、音楽でこれだけの人が幸せになれるんだと、音楽の力の再確認したようなことです。今日の演奏は魅惑のギターデュエット足立ゆかり&高村浩二でお送りします。今の立場から期待や不安を胸に次のステージへ進まれる皆さんに「おめでとう」のエールを送ります。信じて生きていれば夢はきっと叶います。思いはきっと形になります。頑張って下さい。

さあ「手紙拝啓十五の君へ」どうぞお楽しみ下さい。

・(木)「早春賦」 (高村浩二)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は武満徹編曲の「早春賦」です。
今日は、私の生徒さんで鳥取県米子市在住の有坂さんより春の訪れのお便りを頂いていますのでご紹介しましょう。
私の住む鳥取県米子市には大きな誇りと大きな宝物があります。それは西日本最高峰「大山」です。大山は四季折々、いつ行っても素晴らしい光景で訪れる人を魅了します。その中でも厳しい寒さに耐え忍んだ、冬の雪景色が終わり、暖かい春の日差しで迎えてくれる大山の有志は、心身ともに癒されます。3月の半ばを過ぎると、残雪の中から多くの花が芽吹き、4月になるとその花達が一斉に開花すると同時にモズ、アカゲラ、ウグイス、メジロ、セキレイ、ヒヨドリ等の小鳥のさえずりがあちこちから聞こえてきてバードウォッチングのシーズンとなってきます。春待ち遠しいです、とお便りを頂いています。
「早春賦」この時期になるとどこからともなく聞こえてくる旋律。「春は名のみの 風の寒さや」の歌詞で始まる「早春賦」吉丸一昌作詞、中田章(なかだあきら)作曲。春はもうそこ迄きていると感じながらも未だに、春の暖かさにはほど遠い頃、そんな時期の自然界の息つかいや「春」と言う響きにときめく胸の内を鮮やかにとらえた作品です。地元福知山では午後5時になると防災無線でこの早春賦のメロディーが流れてきます。

「早春賦」今日の演奏は高村浩二先生です。高校の音楽の教科書に日本を代表する作曲家として紹介されている武満徹さんの編曲です。武満徹さんは1996年65歳で他界され、2020年には生誕90周年でした。器楽や声楽、テレビやラジオの放送音楽、映画、バレエ、演劇、雅楽などのあらゆるジャンルの作品を洋楽器のみならず、和楽器も取り入れ新しい音楽の分野を開拓、独特な音の世界が作り出されています。今日お送りします「早春賦」はギター用に編曲された作品「ギターのための12の歌」からの1曲です。ギターの伝統的な響きを超えた和声やリズムがあり、音色やアゴーギク等がかなり細かく指定され、この作品は「高度な演奏技術を必要とする柔軟な精神へのエチュード」と注意書きされています。
さぁ、武満徹編曲の「早春賦」をどうぞお楽しみ下さい。

・(金)「旅立ちの日に」 (二重奏)

ギターの散歩道、本日ご紹介する曲目は「旅立ちの日に」です。年3回、お庭を眺めながらコンサートを開催している古民家を改装したお店柳町、先日、お庭を手入れしてもらっている庭師さんに聞いてみると、春がきたなぁと感じるのは梅や桜の花もそうですが針葉樹の木々に新芽が出かけると「春」を感じるそうです。
「旅立ちの日に」この季節になると小学校、中学校の卒業式でよく歌われる楽曲。2000年以降卒業ソングの定番曲として認知されています。1991年に埼玉県秩父市立影森中学校の先生によってつくられた合唱曲です。作詞は当時の校長 、小島登先生、作曲は音楽教諭の坂本浩美先生。口語調の言葉で書かれた詩が特徴でやわらかいメロディと共に先生方の生徒に対する深い愛情が伝わってきます。
「旅立ちの日に」今日は、3月に小学校を卒業する6年生せな君と、送る側の立場である先生、M先生からそれぞれメッセージを頂いていますのでご紹介しましょう。
6年生せな君、6年間で一番の思い出は、5年生の時、八ヶ岳に2泊3日で移動教室に行きました。友達と牧場で牛のえさやり、アイスクリームを食べたり、宿舎を使ってのお化け屋敷がおもしろかったです。そして、M先生は現在神奈川県の高校で社会科を教えておられます。送る側の立場としては、卒業式の準備は毎年2月頃から始め、生徒たちには、人にかわいがられ、世の中に貢献し自立した人になって欲しいと言うメッセージを伝えようとしています。
教師になって初めて卒業生を送り出した時ですが、やんちゃな生徒が多かっただけに社会に出てからの心配がありましたが当日、式で校歌を大きな声で歌っている姿を見て感動した記憶があります。とメッセージを頂いています。
「旅立ちの日に」今日の演奏は魅惑のギターデュエット足立ゆかり&高村浩二でお送りします。
合唱用の楽譜を元に二重奏用に編曲しています。春には進級や進学、就職や昇進、転勤等、今の立場から次のステージへと進む、さまざまな卒業と旅立ちがあります。期待や不安を胸に次のステージへ進まれる皆さんへ「おめでとう」のエールを送ります。頑張って下さい。
さあ、「旅立ちの日に」お楽しみ下さい。


どうぞお楽しみ下さい。

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